2024/6/1
こんにちは。吉見屋です。
今年も日光下駄の季節がやってきました。
日光下駄、私もかれこれ数年履いてきましたが、今年も例外なく暖かい季節の間は履き続けることになるでしょうね。
ということで、今年も簡単に吉見屋でお取り扱いしている日光下駄について色々とご紹介していこうと思います。
日光下駄とは?
日光下駄は江戸時代に日光の神域境内を参拝するために作られた下駄。
桐の台木に真竹の皮で編んだ草履表が挿(す)げられているのが特徴です。
日光下駄は先人たちの知恵が詰まった歩きやすく丈夫な下駄。
これは日光下駄が、日光の社寺を参拝するために作られたことに由来しています。
日光東照宮をはじめとする日光山への参拝は、坂道や足場の悪い道を歩く必要がありました。
また日光は雪深く、水たまりや雪のぬかるみを歩くことも多い土地。
「険しい山道や雪道でも歩きやすいように」知恵と工夫によって誕生したのが日光下駄です。
日光下駄の伝統工芸士 星ひでおが作る下駄の特徴
吉見屋で取り扱っている日光下駄は、2024年現在で3名しかいない伝統工芸士である「星ひでお」が作る日光下駄です。
もともとの日光下駄は、二枚歯の台木に「ぼたもち」のような草履表がのった野暮ったい見た目でした。
機能的だけど、デザインが古臭い。
それが昔ながらの日光下駄でした。
しかし星ひでおの作る日光下駄は、洗練されたモダンなデザイン。
これは20年ほど前、星が江戸東京博物館に展示されていた「江戸駒下駄」と出会ったことがきっかけでした。
江戸駒下駄は江戸の町娘が履いていたもの。
薄く細かく編まれた草履に、細めの赤い鼻緒と黒の塗り下駄。
そんな洗練された下駄に衝撃を受け、伝統の機能はそのままに日光下駄を上品なデザインへとブラッシュアップしました。
現代的でありながら伝統工芸品としての繊細さを兼ね備えたデザインが、星ひでおの作る日光下駄の魅力です。
よりじっくり見ていただくほどに、繊細な職人の技が伺えます。
星ひでおが自身で染め上げた藍染の鼻緒など、独自のユニークで魅力的な日光下駄になっています。
日光下駄の履き心地について
日光下駄を履いたことがある方が、口々におっしゃるのが
「まるで畳の上を歩いているように、軽やか」な履き心地であること。
下駄を履き慣れていない方が、いきなり長時間下駄を履き続けると、足が痛くなってしまうことも多くなっています。
しかし日光下駄はまるで畳のような履き心地。
長時間履いても、足が痛くなりにくいのが大きな特徴です。
日光下駄の台木には軽くて良質な桐を使用
台木に使われている良質な桐は、国内で最も軽い材木です。
桐の材は多孔質で外気温の影響を受けにくく、保温性・断熱性にも優れています。
下駄を履いていても足元が重くなることなく、長時間履いても下駄の重みが気になりません。
日光下駄の 草履表は調湿・抗菌作用に優れた真竹の皮
草履表部分は真竹の皮で編まれています。
真竹の皮は余分な水分を放出し、同時に乾燥しすぎないように自動調湿してくれる効果があります。
夏は涼しく、冬暖かく履けるのはこのためです。
さらに真竹の皮の表面は蝋(ろう)のような成分で覆われ、撥水性・消臭効果にも優れています。
足が蒸れにくく、雨に濡れても乾きやすいのも大きな特徴です。
日光下駄は鼻緒が麻紐で挿(す)げられているので丈夫で長持ち
台木・草鞋・鼻緒は麻紐で挿(す)げられています。
麻紐はステンレスやスチールの繊維にも負けない強力な耐久性があり丈夫で壊れにくい。
だから10年20年と壊れることなく履き続けることができるんです。
実際に20年以上履き続けている日光下駄のオーナー様もおられます。
日光下駄はお店でも購入できます
日光下駄をお探しになっている方が吉見屋に来られると、「日光下駄がどこにも売っていない」とおっしゃいます。
確かに、実店舗で日光下駄を置いているお店は、日光市内にもほとんどありません。
もともとは下駄屋さんが並ぶ街だった日光ですが、やはり履く人が少なくなったことで伝統工芸士の数もかなり少なくなってきたのが大きな理由です。
吉見屋では、日光下駄の履き心地をお試しいただいた上で購入していただきたいという想いがあります。
そのため、在庫をできるだけ豊富に揃えて、実際に日光下駄を見ながら購入できるように日々準備をしています。
「実際に見て、確かめて購入したい」
日光下駄にそのようなお気持ちをお持ちの方でしたら、是非吉見屋にいらしてください。
また遠方で日光まではなかなか買いに行けないという方のために、通販対応も行っています。
長く履き続けられる個性的な日光下駄。
是非今年の夏はお手元に1つ揃えてみてくださいね。